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2010/04/22 かぴぱら

 

先日観た『空気人形』の中で

 

心動かされる詩があったので

 

ご紹介させていただきます。

 

 

 

『生命は』

吉野 弘

 

 

生命は

自分自身で完結できないように

つくられているらしい

花も

めしべとおしべが揃っているだけでは

不十分で

虫や風が訪れて

めしべとおしべを仲立ちする

 

生命はすべて

そのなかに欠如を抱き

それを他者から満たしてもらうのだ

 

世界は多分

他者の総和

しかし

互いに

欠如を満たすなどとは

知りもせず

知らされもせず

ばらまかれているもの同士

無関心でいられる間柄

ときに

うとましく思えることさえも許されている間柄

そのように

世界がゆるやかに構成されているのは

なぜ?

 

花が咲いている

すぐ近くまで

虹の姿をした他者が

光をまとって飛んできている

 

私もあるとき

誰かのための虹だったろう

 

あなたもあるとき

私のための風だったかもしれない

 

 

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